シャッター閉めっぱなしのデメリットとは?潜むリスクと解決策
ご自宅や店舗のシャッターを、毎日閉めっぱなしにしていませんか。防犯対策やプライバシー保護のつもりでシャッターを閉めている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は長期的にシャッターを閉め続けることは、様々なデメリットやリスクを伴います。
このコラムでは、シャッターを閉めっぱなしにすることで発生する、知っておくべきデメリットを具体的に解説します。建物への影響から防犯、さらには心理的な側面まで、多角的な視点から問題点を掘り下げます。
- シャッターや建物が劣化する原因を理解できます
- 防犯対策が逆効果になる理由がわかります
- 快適な居住空間を保つためのヒントを得られます
- 店舗や空き家のイメージを向上させる方法を知るきっかけになります
シャッター閉めっぱなしが引き起こす物理的・環境的な問題
- シャッター本体の故障と寿命の短縮
- 建物内部の湿気・カビ・結露の発生
- 窓枠・サッシの劣化と害虫侵入リスク
- 緊急時の避難経路としての機能不全
- 資産価値への影響
シャッター本体の故障と寿命の短縮
シャッターを長期間動かさないままでいると、シャッターのバネが劣化して動きが悪くなることがあります。バネの劣化したシャッターは動きが重くなり、開閉をスムーズに行うことができません。この状態で無理に動かし続けると、シャッター本体が曲がってしまい、最終的にまったく動かなくなる可能性もございます。
また、シャッターは長期間動かさないでいると、レールなどが錆びつき、これもまた動きを悪くする原因となります。錆びついたシャッターを無理に動かすと、その部分が削れて破損してしまうこともございます。シャッターの歪みを放置することは、他の部品に負担をかけ、故障のリスクをさらに高めることにつながります。一部の故障が他の不具合に連鎖し、結果としてシャッター全体の交換が必要になるケースも少なくありません。
注意点:シャッターの歪みは危険信号
歪んだシャッターは開閉の際にスムーズに動かなくなるだけでなく、電動シャッターの場合はモーターに過剰な負荷がかかり動作が停止する可能性もあります。手動シャッターであれば、力を入れて動かさなければならないため、使い勝手が著しく悪化します。
歪んだシャッターは完全に閉まらないことが多く、わずかな隙間が生じるため、防犯性能が著しく低下してしまいます。
建物内部の湿気・カビ・結露の発生
シャッターを閉めっぱなしにすると、風通しが悪くなることで湿気がこもりやすくなります。これにより、カビの発生や空気の淀みを招く可能性があります。湿気がこもりやすくなると、カビの発生やダニの繁殖が進むこともあります。
外の風や光を取り入れることができないと、室内に空気がこもり、健康面に悪影響を与えることも考えられます。特に、アレルギーや喘息などの呼吸器系の問題を抱えている方にとっては、カビやダニが発生することで症状が悪化する可能性があります。
ポイント:冬の結露にも注意
冬にシャッターを閉めると、暖房使用で室内と外気の温度差が大きくなり、窓に結露が発生しやすくなります。この結露が窓枠やシャッター本体に蓄積されると、カビや腐食の原因になることがあります。結露対策については、環境省のウェブサイトでも情報が提供されています。参照:環境省「住宅の結露を防ぎましょう!」
シャッターの隙間にコウモリや虫が入り込むこともあり、放置すると衛生面での問題が生じる可能性もございます。
窓枠・サッシの劣化と害虫侵入リスク
長期間シャッターを開けないことで、サッシやパッキンの汚れが放置されやすくなります。これにより、金属部分に錆が出たり、ゴム製のパッキンが劣化してひび割れることがあります。レールの滑りが悪くなると、開閉に支障が出たり、異音や引っかかりの原因になることもございます。
また、前述の通り、シャッターの隙間からコウモリや虫が侵入し、住居内に巣を作ってしまうリスクもゼロではありません。このような事態を避けるためにも、定期的な開閉と点検が重要です。
緊急時の避難経路としての機能不全
シャッターが閉まったままだと、火災や地震などの緊急時に避難経路として機能しない可能性があります。緊急時に外に出られない場合があり、逃げ遅れや安全確保に支障をきたすリスクが生まれます。特に、窓を唯一の避難経路としている部屋では、シャッターを閉めっぱなしにすることが命に関わる問題となることもございます。
資産価値への影響
シャッターを長期間閉めたままにしていると、家そのものの寿命や快適性にも悪影響を及ぼすことがあります。建物内部の湿気によるカビや構造材の劣化、外観の荒廃などは、不動産としての価値を低下させる要因となり得ます。売却を検討する際や賃貸に出す場合、シャッターが常に閉まっていて不具合が放置されている建物は、買い手や借り手から敬遠される傾向にあります。
防犯面や対人関係におけるリスク
- 空き巣に狙われやすくなる防犯上の盲点
- 近隣住民との関係悪化とイメージ低下
- 生活リズムの乱れや精神的な不調
- 店舗・空き家における閉鎖的な印象
- シャッター閉めっぱなしのデメリットまとめ
空き巣に狙われやすくなる防犯上の盲点
防犯のつもりでシャッターを閉めっぱなしにしていると、かえって空き巣に狙われやすくなる危険性があります。日中も夜もずっと閉まっている家は「留守です」と外から知らせているようなもので、泥棒にとっては好都合な目印となってしまいます。シャッターが目隠しとなり、侵入しても周囲に気づかれにくいため、泥棒にとって好都合な場合も少なくありません。
閉めっぱなしだと「空き家」と勘違いされる場合があり、逆に不審者に侵入される危険性も高まります。警視庁の発表でも、侵入窃盗犯は人目を避け、留守を確認してから犯行に及ぶことが多いとされています。参照:警視庁「住宅を狙う侵入窃盗の対策」
住人A:「毎日シャッター閉めてるから安心だと思ってたのに、逆効果だなんて驚きだわ。」
住人B:「そうなんです。逆に『誰もいない』ってアピールしてるようなものかもしれませんね。」
近隣住民との関係悪化とイメージ低下
長期間シャッターを閉じていると、家の外観が寂しく感じられ、近隣住民に不安感を与えることがあります。また、ずっとシャッターが閉まっていると「誰が住んでいるのかわからない」といった印象を持たれやすくなり、周囲との関係が希薄になることも考えられます。
長期間シャッターを閉めっぱなしにしていると、近所から「留守がちなのでは」と思われ、これもまた防犯上のリスクを高める要因になる可能性があります。シャッターを閉め続けることは、近隣住民との関係に微妙な影響を与えることもございます。
生活リズムの乱れや精神的な不調
室内に太陽光を取り入れないことで、室温が上がりにくくなり、寒さを感じることもございます。加えて、室内に光が入らないと、昼夜の区別がつきにくくなり、生活リズムが乱れやすくなります。
在宅時間が長い場合は、気分の落ち込みや睡眠の質の低下を引き起こすこともあります。閉めっぱなしの雨戸で暮らす心理状況には、外部の敵から自分を守りたい気持ちや、他人の視線を気にし、自分の家の中を探られたくない思い、自分の暮らしのレベルを判断されたくない気持ちが強く影響している場合があると言われています。
豆知識:心理的な側面
視線を感じると居心地が悪くなり、手元のことに集中できないほどになる方もいらっしゃいます。防犯に関して深刻になるほど注意している場合、雨戸が閉まっていないとあらゆる不安を感じて安心できない状況に陥る人もいるようです。
店舗・空き家における閉鎖的な印象
店舗のシャッターを長期間閉めっぱなしにすると、「家の中に人がいない」という印象を外部に与える可能性があります。これは、活気がなく閉鎖的なイメージを近隣や通りがかりの人々に与え、周辺地域の雰囲気を損ねるだけでなく、地域の防犯意識の低下にもつながりかねません。
空き家の場合も同様で、シャッターが常に閉まっていると荒廃した印象を与えやすく、結果として地域の治安悪化や不法投棄のリスクを高めることにもつながります。店舗や空き家であれば、シャッターを定期的に開けたり、デザイン性の高いシャッターアートを施したりすることで、地域の景観維持や防犯意識向上に貢献できることもあります。
シャッター閉めっぱなしのデメリットまとめ
- シャッターのバネやレールが劣化し故障リスクが高まります
- シャッターが歪むと開閉に支障が出て交換が必要になることもあります
- 建物内部の風通しが悪くなり湿気がこもりやすくなります
- カビやダニが発生しやすく健康に悪影響を及ぼす可能性があります
- 冬場は窓に結露が発生しやすくカビや腐食の原因となります
- 窓枠やサッシが劣化しやすく害虫侵入のリスクも高まります
- 緊急時にシャッターが避難経路を塞ぎ危険な状況になることがあります
- 建物の寿命を縮め不動産としての資産価値を低下させる可能性があります
- 空き巣に狙われやすくなるなど防犯対策が逆効果になることがあります
- 「留守がち」と判断され不審者に目をつけられる可能性が高まります
- 近隣住民に不安感を与え人間関係に影響が出ることもあります
- 活気がなく閉鎖的な印象を与え地域全体のイメージを損ねます
- 太陽光不足により生活リズムが乱れたり気分が落ち込むことがあります
- 心理的に外部との隔絶を感じやすい状況となることもございます
- 長期間の放置は最終的にシャッター自体の寿命を縮めることにつながります





